京都電子工業株式会社

お問い合わせ

よくあるご質問(FAQ)

カールフィッシャー水分計

カールフィッシャー法はどのような原理ですか?

カールフィッシャー法は、カールフィッシャー反応において水とヨウ素が1:1のモル比で定量的に反応することを原理としています。

脱水溶剤の主成分はアルコール(ROH)、二酸化硫黄(SO2)、塩基(RN)です。 脱水溶剤中ではアルコールと二酸化硫黄が反応し、亜硫酸アルキルアニオン(SO3R-)が生成します。

この亜硫酸アルキルアニオンは、脱水溶剤中の塩基により中和された状態[RNH]SO3Rとして存在します。

下記に滴定反応を示します。

ヨウ素によって[RNH]SO3Rが酸化される際に水が消費されます。
この反応は定量的に進行するので、消費したヨウ素の物質量から水分量を求めることができます。

妨害反応には、どのようなものがありますか?

例えば、ケトン類やアルデヒド類はメタノールと反応して水を生成します。
メタノールを含まないケトン用の脱水溶剤や陽極液を使用することで、妨害を抑制することができます。
ただし、妨害を抑制できる許容量に達した場合、脱水溶剤や陽極液を交換する必要があります。
また、酸化性の物質はヨウ化物イオンを酸化してヨウ素を生じる可能性があり、この場合、負の誤差を生じます。
還元性の物質はヨウ素を消費して正の誤差を生じる可能性があります。
これらに揮発性がない場合、気化法の適用により測定できる可能性があります。
カールフィッシャー反応に適したpHは5-7とされています。
酸性や塩基性の物質であり、脱水溶剤や陽極液のpHを変動しうるものは、測定結果に誤差を与えます。 pH5以下では反応速度が著しく低下し、精度や正確性に影響を与えます。
また、pH7以上ではヨウ素が消費される妨害反応が起こり、正の誤差を生じます。
酸性物質の場合はイミダゾールを、塩基性物質の場合はサリチル酸を添加することにより、これらの妨害を防ぐことができます。
ここで述べた妨害反応はあくまで一例です。その他の妨害反応や対処方法についてご不明な点がありましたら、「お問い合わせ入力フォーム」よりお問い合わせください。

日本薬局方の試薬に関し、推奨されるケムアクアシリーズは何ですか?

日本薬局方の記載に対し、以下の試薬の使用を推奨しております。

  • 容量法の試薬について
     ケムアクア脱水溶媒MET…水分測定用メタノール※
     ケムアクア滴定液TR…水分測定用試液 調製法2
     ケムアクア水-メタノール2…水分測定用試液 水・メタノール標準液
     ケムアクア脱水溶媒SA…メタノール:ホルムアミド(1:2)
     ケムアクア脱水溶媒MET:ケムアクア脱水溶媒SA=3:2で混合…メタノール:ホルムアミド(2:1)

    ※日本薬局方では溶剤としてメタノールが規定されていますが、滴定液を添加することにより、塩基や二酸化硫黄といったカールフィッシャー反応に必要な成分を供給する必要があります。
    ケムアクア脱水溶媒METは、カールフィッシャー反応に必要な成分をメタノールに予め添加した試薬となっています。

  • 電量法の試薬について
     ケムアクア陽極液AGE…調製法2 水分測定用陽極液
     ケムアクア陽極液AGE…調製法2 水分測定用陽極液
試料の水分量と精度の目安は、どのような関係にありますか?

水分量と精度の目安を表に示します。
ただし、精度には試料の性状も影響するため、以下に当てはまらない場合もあります。

陽極液、陰極液で測定できる水分量はどの程度ですか?

ケムアクア陽極液AGEは、100mLにつき800-1000mgの水分が測定できます。
ケムアクア陰極液CGEは、5mLにつき130-150mgの水分が測定できます。
(ケムアクア陰極液CGEをケムアクア陽極液AKEと組み合わせて使用する際は、5mLにつき約100mgの水分が測定できます。)
ただし、試料の蓄積や性状等の影響により、上記の水分量に達しなくても試薬の交換が必要な場合があります。
試薬が劣化すると、ドリフト値が低下しない、安定しない、繰り返し性が低下する、陰極液が変色するといった事象が現れます。
これらが確認された際は、試薬を交換するようお願いします。

カールフィッシャー試薬の保証期間はどの程度ですか?

未開封時における保証期間を以下に示します。
なお、開封後の使用期限については設定しておりません。
使用状況や保管環境によって試薬の劣化の程度が異なる可能性があるためです。

ロット番号のアルファベットA,B,C・・・は、製造月(1月,2月,3月・・・)を示しています。また、アルファベットに次ぐ始めの2桁は製造年(西暦の下2桁)を示しています。例えば、L17069の場合、2017年12月に製造した試薬であることを意味します。

異なる試薬メーカのKF試薬を組合わせて使用してもいいですか?

異なるメーカ同士の試薬を組み合わせて使用することはできません。
また、同一メーカの試薬を使用する場合は、試薬メーカの推奨する組合わせ(滴定試薬,脱水溶剤)でご使用ください。
組合わせによっては、無水状態へ移行する途中で、沈殿物質が生成する場合があります。
試薬の特性等、装置での使用可否については、ご購入の試薬メーカにお問い合わせください。

使用済みのカールフィッシャー試薬はどのように処理すればいいですか?

カールフィッシャー試薬の主成分はメタノールです。地域の産業廃棄物処理業者に有機廃液の処理をご依頼してください。
試薬のご購入時に添付されておりますカールフィッシャー試薬の安全データシート(SDS)を参考にして業者へご依頼ください。

使用しているKFグリースは、どのようなものですか?

含水量が非常に少ない水分計専用のグリースです。
他のグリースは、水分を多く含む場合がありますので、使用しないようお願いします。
また、シリコーングリースは滴定セルに混入すると、カールフィッシャー反応を妨害しますので、使用しないでください。

双白金電極の先端はどのような形状が望ましいですか?

先端の白金どうしが接触していなければ使用可能です。
(出荷時はほぼ並行に調整されています。)
ご使用中に白金が曲がって接触することがあります。
接触した場合は、十分に注意しながら接触しないように調整してください。
調製の際は、無理に動かすと折れてしまいますのでご注意ください。

装置の健全性はどのように確認したらよいでしょうか。

水分濃度が既知の物質を測定し、繰り返し性や正確性、直線性によって健全性を確認する方法を推奨しております。
当社が扱っています水分濃度が既知の物質(水標準品)には、用途に応じて以下の種類があります。

  • 水標準 10 容量法チェック用、力価標定用、力価10
  • 水標準 1 電量法チェック用、力価1.0
  • 水標準 0.2 電量法チェック用、力価0.2
  • 水標準 0.1 電量法チェック用、力価0.1
  • 固体水標準 5.5 気化装置チェック用、5.5%、 220℃
  • 固体水標準 3.8 気化装置チェック用、3.8%、200℃
取引先や他部署で同一試料を測定したが、水分値に差を生じる結果となる。
原因として何が考えられますか?

水分値に差が生じる要因は、「試料性状によるもの」,「試料に適したカールフィッシャ-試薬を使用していない」,「装置の故障」などが考えられます。以下の内容を確認してください。

  • 試料に適したカールフィッシャ-試薬を使用しているか?
  • カールフィッシャ-試薬は同じメーカのものか?試料性状にもよりますが、使用するカールフィッシャ-試薬が異なると同一試料でも測定値が一致しないことがあります。
  • 試料の取扱方法は同じか?(水分濃度の変化しやすい試料)
  • 測定装置の方法は同じか?(容量滴定式と電量滴定式など)
  • 測定方法は同じか?(カールフィッシャ-法と減圧乾燥法など)
  • 水・標準品など水分濃度既知の標準物質を測定し水分濃度が正常であること。
  • 滴定セル(滴定フラスコ),電極などは汚れていないか?これらの部品を洗浄後、水・標準品などの標準物質の測定を行ってください。
気化法において、ドリフト値が高くて不安定な状態が続く場合の対処法は何ですか?

ゼオライト、シリカゲルの除湿能力が劣っている可能性があります。交換してください。
窒素ガス配管には、PTFE製チューブもしくはSUS製のチューブをご使用ください。
網入りチューブやビニールチューブ,ナイロンチューブなどは配管外から水分が浸入することがあり、ドリフトが不安定になることがあります。

容量滴定において、ビュレットに気泡が混入・発生するときの対処法は何ですか?

各配管接続部が緩んでいないか確認し、緩んでいる場合は増し締めをしした後、パージを繰返し行って症状の確認を行ってください。
KF試薬びんふた上部の乾燥筒内がつまっていないか確認してください。
乾燥筒内の乾燥剤を抜き取りスポンジ、空気穴に目詰まりがある場合は取り除いてください。

水分気化装置の加熱管はどのように洗浄したらいいですか?

付着している測定試料により異なります。試料に応じた洗浄方法を用いてください。
洗浄方法が不明な場合は、お湯→台所用合成洗剤→住宅用合成洗剤→薄めの酸や、アルコールの順に洗浄効果があるかを確認してください。
上記方法で除去できない場合は、市販のクロム酸混液に一昼夜浸し、洗浄を行ってください。

【注意】
クロム酸混液は、有害物質を含みます。廃液は、専門の業者に依頼するなど適切な処理を行ってください。